インド参入成功の秘訣とは?

インド参入成功の秘訣とは?
インド参入成功の秘訣とは?
本多康二郎
本多

インドへ一緒に事業進出したのが 2013 年なので、9 年目になりますね。

株式会社KUURAKU GROUP 代表取締役 福原裕一
福原

早いですね!

本多康二郎
本多

昨今のインドは巨大市場だと言われていて非常に注目されております。福原社長はインド市場をどのように見据えていらっしゃいますか?

株式会社KUURAKU GROUP 代表取締役 福原裕一
福原

貧富の差こそありますが、順調に経済発展や都市拡大をしていることは間違いないですね。世界で一番注目されるマーケットになると確信しています。

インド参入成功の秘訣とは?
本多康二郎
本多

2023年にインドの人口が中国を上回り世界最多になるという国連の推計がニュースになりましたからね。私がインドで事業をやっていて思ったのは「多様性の国だな」ということです。インドには民族によって分けられた 28個の州があり、州によって言語も違い文化も様々です。つまり、単に人口が多いから参入するのではなく、多様性という観点を持つことが重要だと考えています。現在のインドは富裕層が約 1%、中間層は約 38%ですが、中間層が増加傾向にあります。我々レストランビジネスでは中間層より上をターゲットにしていますので、中間層が増えているということは、マーケットとして魅力的かなと思っています。このように多様性・成長性を兼ね備えた国は他に類を見ないと思うのですが、福原社長はどうお考えでしょうか?

株式会社KUURAKU GROUP 代表取締役 福原裕一
福原

私が見てきた中では、ここまで民族の多様性がありそれが州ごとに分かれている国はインドだけでした。中国でもお仕事をさせていただいておりますが、インドほど言語や民族性が分かれているわけではありませんでした。そういう観点から考えると多様性があるからこその難しさもあると考えています。

本多康二郎
本多

国の事情を知らなければインド参入は失敗してしまう恐れもありますよね。しっかりと国の事情を把握することで、ビジネスの成功確率も上がっていくわけですね。

株式会社KUURAKU GROUP 代表取締役 福原裕一
福原

はい、例えば「どこの地域から出ると成功確率が高いか?」といったことも考える必要がありそうです。

本多康二郎
本多

さらに、お給料も年率 10%も上がっていますよね!

株式会社KUURAKU GROUP 代表取締役 福原裕一
福原

日本から見ると羨ましいですね!

本多康二郎
本多

年率 10%ということは 10年後には 2倍になるので、貧困層から中間層へ次々とシフトしていくことになります。そのため中間層の事情と多様性を把握することが、インド市場を知る上で重要かと思いますね。

株式会社KUURAKU GROUP 代表取締役 福原裕一
福原

さらに、私が難しさを感じるのは「ライセンス」です。州によってライセンスに違いがあるので、それを調べるだけでも莫大な時間がかかります。さらに州ごとにライセンスを取得できるまでの期間にも差があります。半年で取れるものもあれば 1 年先になるものもあります。そのあたりで難航が予想されましたが、本多さんに力を貸していただいたことで非常に助かりました。

本多康二郎
本多

ありがとうございます。ライセンスの問題は現地で事業を起こした経験がないとなかなかハードルが高いですよね。インドでは日系企業の参入が相次いでいます。有名どころでは自動車・家電・生理用品などのメーカーさんが成功されて、マーケットを取りつつあります。もちろん、福原さんの KUURAKU グループもその一員だと思います。しかし、当然ながらすべての企業が成功するわけではありません。そこでぜひ、福原社長にとっての成功の秘訣があれば教えてください。

株式会社KUURAKU GROUP 代表取締役 福原裕一
福原

ハッキリ言えることは「誰と組むのか」という点です。もちろん「何を」「どこで」というのも大切ですが、それ以上に誰と組むのかのほうが重要です。私どもの場合にはやはり本多さんというパートナーが居てくれたことが大きいです。さらに私たちの会社の役員にはインド出身の方がおり、大変活躍していただいております。やはり誰と組むのかが一番の成功ポイントだと思います。

本多康二郎
本多

以前、大手の通信事業さんと製薬会社さんが合弁という形で参入したものの、数千億の損失を出して撤退したというニュースもありましたよね。私がインドに参入して思ったのは「日本の技術をそのまま持っていってもうまくいかない」ということです。テストマーケティングを重ねることや、パートナーの選定をじっくり考えた上で出資するのが重要かと思います。

株式会社KUURAKU GROUP 代表取締役 福原裕一
福原

私はパートナーを選ぶ際に重要なことは「リーダーにどれだけの覚悟があるのか」だと考えています。例えば「インドに根付くまでやり切ってやる」という気持ちで行くのか、それとも「どうやらインドがチャンスらしいから試しに行ってみようかな」くらいの気持ちしかないのか。インドへ行くという行動は同じでも、成功確率はまったく変わってくるはずです。

本多康二郎
本多

確かに、日系駐在員のトップの方も大体 3 年から 5 年の任期の方が多いです。一方で韓国企業は 10年から 15 年ほど駐在されている方が多く、意気込みの違いを感じます。3 年とか 5 年でいったん帰ってしまうのは、下に付いてくるスタッフから「どうせ 3 年で帰るのだろう」という目線で見られてしまい、付いてこなくなります。また、インドでは生活しづらいというイメージも根強く残っています。それを我々日本食レストランで払拭して、インドはパラダイスだということを広めたいですよね。メイドさんやドライバーさんを雇えるし、もちろん KUURAKU もある。生活にはまったく困らないというのが我々のビジネスのコンセプトの一つなので、そういった意味では今は非常に順調なのではないかと思います。

株式会社KUURAKU GROUP 代表取締役 福原裕一
福原

特に私たちは「異国の地で働いている駐在員の心と体の元気の源になりたい」という思いから、日本食レストランを出店していました。だから、私たちのレストランに取材の方々が来ていただいて繁盛してい ったのは本当に重要なことだったと思っています。

本多康二郎
本多

そうですね。インドで働く日本人に喜んでいただけたのは本当に嬉しかったですよね。
一部ではインド市場を攻略するのは難しいと言われることもあります。しかし、私たちはインドに出てから9年間で 6店舗を展開し、今後もどんどん拡大していく予定です。そこで、今後インドに進出される日経企業の方に向けてエールやヒントのようなものをいただけますでしょうか?

株式会社KUURAKU GROUP 代表取締役 福原裕一
福原

まずは視察をすることをオススメします。実際に自分の目で見た上で、インドでビジネスをするかしないかを判断するのが良いでしょう。視察もしないまま「インドって儲かるのかな?」というような感覚でいると、ものすごく後悔してしまう気がします。ちなみに私は 10年ほど前に、初めてインドに視察に行かせていただきました。行く前までのイメージは「街並みが汚い」「人で溢れている」という、あまり良い印象ではありませんでした。しかし到着してすぐに非常に立派で豪華な空港に衝撃を受けました。町に出てみると貧しい人々が生活するエリアもあるけれど、その先には高層ビルが立ち並ぶ近代的な街もありました。その光景を見たとき、インドはこれから発展の余地があり、やがては世界をリードしていく国の一つになると感じました。

本多康二郎
本多

とりあえず行ってみるということですね。片道 9時間程度ですし。

株式会社KUURAKU GROUP 代表取締役 福原裕一
福原

想像よりも近いんですよね。

本多康二郎
本多

実際に行ってみると、確かに空港に降り立った瞬間から五感を刺激されるような感覚がありますよね。事前にインドの価値観や多様性についての情報を仕入れてから行って、そこで何のビジネスをやるのかを考えてもいいと思います。あるいは日本の技術やサービスをそのまま持っていって、インドの街を見て戦略を立て直してもいいかもしれません。そこは臨機応変にやっていけます。日本に座っているだけではビジネスは成功しないので、自分の目で確かめてから計画を練って、誰と組むかを考えていく。そのあたりについては私どもの会社でお手伝いができるところです。

インド参入成功の秘訣とは?
株式会社KUURAKU GROUP 代表取締役 福原裕一
福原

私たちが初めてインドに視察させていただいたときも、本多さんの会社で視察ツアーを組んでいただいたのでとても助かりました。車を手配していただいて、マーケット、レストラン、食肉工場など、いろいろなところを見に行くことができました。おかげさまで効率よく回ることができて、インドを深く理解することができたと思っております。

本多康二郎
本多

インドは「知らないと損をする国」です。様々な交渉において値段を吹っかけてきます。正直、スタッフの情報だけではなかなか信用できない部分もあるので自分の目で確かめることがインドで成功する一つのカギになります。

株式会社KUURAKU GROUP 代表取締役 福原裕一
福原

そうですね。やはり雑誌やニュースで見るのと、実際に行ってライブで感じるものは圧倒的に違いますよね。それに見に行くというのはそこまで高いハードルではありません。まずは現地に行ってから考えることで、大きなチャンスは見えてくるはずですし、別のビジネスアイデアを思いつく可能性もあります。

本多康二郎
本多

我々で成功事例を作って、損することなくしっかり稼げるんだというところを見せていきたいですね。

株式会社KUURAKU GROUP 代表取締役 福原裕一
福原

はい、引き続き宜しくお願いいたします。